地鎮祭って何だろう
日本ではふるくから、土木工事や建築工事を始める前に祭りということが必ず行われてきました。
祭りは、元来、神にまつらい(帰服)、神の恩恵に感謝し、神々のご照覧のもとに、常に明るく、正しく睦まじく生きようと願う人々の神々に対する崇敬を表したものであり土地の神を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを請う神道の祭儀です。
一般には神を祀って工事の無事を祈る儀式と認識されており、安全祈願祭、鎮地際、土祭り、地祭り、地祝いとも呼ばれています。
祭場の位置は南向きか東向きとします。
北側は絶対に避けなければなりませんなぜならば神座は、太陽に向かっていなければならないからです。
次に祭場の四隅の青竹を立て、その間を注連縄(しめなわ)で囲みます、なぜかというと注連縄は神域と外界を隔てるための神垂(しで)をつけた縄であり、天照大神が天岩戸(あまのいわと)から引き出された際、二度と天岩戸に入れないよう太玉命が注連縄にて戸を塞いだとの故事に習っています。
祭場の中には木の台(八脚台)を並べ神籬(ひもろぎ)を立てて祭壇とします、そしてお供え物(酒・米・水・塩・野菜・魚)を並べ、祭壇の左右には真榊(まさかき)と呼ばれる緑・黄・赤・白・青の五色絹の幟(のぼり)の先端に榊を立て三種の神器を掛けたものがあります。
向かって左側に剣を掛け右側には鏡と勾玉(くがたま)をかけますがこの五色の絹の色は古代中国に端を発する自然哲学の思想で万物は、木・火・土・金・水の5種類の元素からなり、それらはお互いに影響しあい生滅盛衰によって天地万物が変化し循環するという五行思想の考えが根底に存在しています。
いよいよ斎主たる神職のもとに施主、建築業者の参列の上執り行います。
修祓(しゅばつ) : 心身を清めて、神に近づく儀式
降神(こうしん) : 先ほどの神籬(ひもろぎ)に神が降りる儀式
献饌(けんせん) : 神にお供え物を食べていただく儀式
祝詞奏上(のりとそうじょう) : 神に家を建てることを報告し工事安全をお願いする儀式
清祓(きよめはらい) : 土地にお酒や水をまいてきよめる儀式
玉串奉奠(たまぐしほうてん) : 神前に玉串を奉り拝礼する儀式
撤饌(てっせん) : 酒と水の蓋を閉じてお供え物を下げる
昇神(しょうしん) : 神籬(ひもろぎ)に降りた神を御座所に送る儀式
直会(なおらい) : 関係者が神酒のお下がりを頂いて、喜びを分ち合う儀式
どうですかこの儀式の中には古代より日本人は常に自然を恐れ、敬う土着的自然信仰と、その後日本の国が出来る中で発生した神道、さらに2~3世紀中国で発達した五行思想を長い年月をかけて私たち馴染むように融合させてきた歴史があります。
それだから建物が無事完成しますようにとすべての神々に祈念する方も少なくないというのもなんとなく納得できるような気がします。